デザインに関する補足説明~駒タイルとカードと赤・黒・青・白・緑の分類基準~

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前回のあらすじ

akatsuki-no-9.hatenablog.com

お品書き

  • 遺物カード分類基準
  • 呪文カード分類基準
  • プレイヤーボーナスのカード分類基準
  • 駒タイルの分類基準
  • 赤・黒・青・白・緑の分類基準

 遺物カード分類基準

遺物カードは、あなたの創作世界における道具に該当します。

それがあなたの世界において、過去のオーパーツである必要はありません。

あなたのキャラクターが愛用するモノであったり、世界的な秘宝であったり、そこら辺で販売されているものであったり。とにかく生命体でなければ構いません。

では自動人形やゴーレムといった何者かに使役されている存在は遺物になるか?
はい、これらに類するものは全て遺物になりえます。

自我を持たない。これが遺物に該当します。
例えば、”独立した思考を持つ鉱物”は遺物ではありません、これは駒タイルが相応しいでしょう。逆に”人工筋肉で出来たパワード・スーツ”は、遺物に分類されるでしょう。

コストは元の創作における希少性と一致させるようにお願いしますが、コストの多寡と希少性は必ずしも一致するとは限りません。先着順なので、許してください。

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呪文カードの分類基準

呪文カードは、あなたの創作世界における事件(エピソード)または魔法に類する概念に該当します。

それがあなたの世界において、核心に迫るような真実や強力な魔法である必要はありません。

あなたのキャラクターが愛らしく動き回る短編のタイトルであったり、時系列上の歴史的事件であったり、誰もが使える程度の魔法であったり。呪文カードとは言いますが、この分類に当てはまる創作物は魔法に限りません。

基本的には、呪文カードの効果と創作物の”色”が一致するようにお願いします。”色”の基準は最後に説明します。

1つ例を挙げてみましょう。以下は@zui_0さんに許可をいただいた呪文カード「凍てつく島:赤5マナ」です。 

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「凍てつく島」はズイさんの短編「凍てつく島」から拝借しました。タイトルそのまんまですね。

下のフレーバーテキストも、短編中からイラストに該当する部分を(ネタバレに配慮しながら)抜き出しただけです。

このように、呪文カードのモチーフになるのは、必ずしもあなたの創作世界における呪文そのものとは限りません。

呪文カードの分類基準はかなり弾力的で、デザインがどのカードに該当するか迷ったらここ、という感じで問題ありません。

プレイヤーボーナスのカードの分類基準

プレイヤー・ボーナスのカードは、あなたの創作世界におけるあなた自身に該当します。

あなた自身、とは言いましたが何も自画像という話ではありません。

例えば、リアルなあなたを象徴する(twitter上の)アイコンであったり、あなたの創作世界における超越的な存在(=あなた)を代表するキャラクターであったり。注意すべきは、プレイヤーは創作における主人公ではない、ということです。

どういうことか?以下に、やはりズイさんの例を示します。

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この「テラー」はズイさんを代表するキャラクターです。ズイさんの創作『センネンケージ』とは無関係(2017/07/18現在)な、ズイさんそのものを代表するキャラクターです。まさにプレイヤーに相応しい存在です。

駒タイルの分類基準

そしてここまでの分類基準を理解していただけたなら、あなたの創作世界におけるキャラクターは、このゲーム「Creative War」のプレイヤー(=あなた)足り得ないことがわかると思います。それは「Creative War」において駒タイルに分類されることが妥当でしょう。

基本的に、あなたの創作世界における”自我を持つ(または自我を求める)キャラクター”は駒タイルに分類されます。

例えば、”独立した思考を持つ無機物”は駒タイルです。逆に”人真似をするだけのおもちゃ”は、駒タイルに分類されません、これは遺物に分類されるでしょう。

以下にまとめて紹介します。ズイさん大活躍である。

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彼らは『センネンケージ』のメインキャラクター5名です。彼らの性格に従って”色”を割り当てます。どの色にもはっきりと振り分けることが出来ないキャラクターには無色が割り当てられます。

赤・黒・青・白・緑の分類基準

 最後に、色の分類基準を説明します。

赤は直情的です。今、この瞬間、自身の感情が何よりも優先されることを求めます。そして、出来る限りそうあろうとします。よって、基本的には自己中心的な振る舞いが目立ちますが、仲間のために身を投げ出すことも厭いません。なぜなら、愛情による駆動もまた感情的な行動だからです。

また赤は、あまり複雑な思考を好みません。どちらかと言えばかなりの確率で、自身の直感や閃きを信用して行動します。よって、赤は他のどの色よりも純朴で、騙されやすい色と言えます。

まとめると、赤に将来的な展望は皆無であり、赤は今この瞬間の連続の中に生きています。ゲームデザイン的に表現すれば、赤は猪突猛進であり、自滅的であり、今利益を得るために将来を犠牲にする効果が多いでしょう。

これは黒の打算に基づく自傷行為とは決定的に異なります。黒は代償を後々に取り返して余りある場合に限り、自傷的な行動を取りますが、赤は後の逆転を計算していません。「今」勝つためにどうするか?しか考えられないのです。

黒は現実主義的です。目的のために利用できるものは全て利用します。加えて、その目的は赤と異なり、長期的で複雑です。黒は利用できるものに制限を掛けません。自他の命や記憶など、普通なら躊躇うような代償を平気で受け入れます。そして、黒の言う目的は多くの場合、自身にのみ利のある内容になります。なぜなら、黒にとって他者の利益とは自身の損失だからです。

また、黒は一時的な味方を信用しません。どこかの時点で必ず使い捨てようとします。一時的な味方を恒久的な味方に変えるコストを、黒は過大に評価してしまっています。よって、黒は他のどの色よりも孤独です。追い詰められた時には既に敗北しているのです。

まとめると、黒にとって最大の脅威は過去の自分自身ということになります。過去の罪が、支払った代償が、黒の算段を上回っていた時、黒はどうしようもなく自滅するでしょう。ゲームデザイン的に表現すれば、黒は飄々として他の駒を身代わりにし、自身が黒である限り強力な呪文を利用します。

これは青の呪文戦による優位を築く姿勢とは決定的に異なります。青は他のどの色よりも豊富に鮮やかに呪文を利用しますが、黒の呪文は黒に染まることを強要します。一度黒に染まった者を、黒は決して逃しはしないのです。

青は学術的です。青は全ての呪文を全ての領域から収集し、情報戦における優位を背景に勝利を目指します。従って青は、何を差し置いてもまず戦局を静観します。何を知れば勝つか?を知るために、青は情報を収集しようとします。

また、青は考えのまとまらない内に行動することが苦手です。互いの情報量が同じである場合、いきなり殴りかかってくる相手に勝つことはかなり難しい色です。一瞬の隙を突いて逆転するために、青は敗北しないように周到に準備した上で身を危険に晒す必要があります。ここを見誤れば、青は他のどの色よりもあっけなく敗北するでしょう。

まとめると、青は受動的な変化を嫌います。よって、相手の行動を制限するような行動を好みます。ゲームデザイン的に表現すれば、青には物理的・情報的脅威をどこか遠くへ追いやる効果が多く現れ、青い駒は地形による制限を受けにくく前方以外への撤退が容易な色と言えます。

これは白の地形さえ踏破できればどの方向へも移動して布陣する戦略とは決定的異なります。白はその場に留まって防衛することに活路を見出す色ですが、青の移動は常に撤退を念頭に置いています。青には戦って状況を打破する姿勢が圧倒的に欠けているのです。

白は規律的です。規範を定め、こちら側にいる者を守り、あちら側にいる者を徹底的に攻撃します。白はまず、全員が遵守すべき法を定めます。その法の下では白自身さえも例外ではないのです。法を侵せば罰が下るという単純な論理を、白は全員に強制します。全員が法を守れば争いは起こらず、より道徳的な手段で優劣を競うことが出来るからです。

また、白は無政府状態を否定します。白には、法による線引きがなければ攻撃すべき相手すら決められないという弱さがあります。まず対話から始めるという姿勢が、時には役立たずであるということを白は決して認めようとしません。

まとめると、白にとって戦いとは何か?を定義してから戦い始めます。よって白には、既に戦争状態にあることに気づかず、博愛的な態度を取る危うさがあります。ゲームデザイン的に表現すれば、白には敵味方の境を定義するまでは、全員が恩恵または損害を被るような効果が多く含まれています。

これは緑の限界まで繁栄した後に、決着をつける姿勢とは決定的に異なります。白の繁栄は境界の内側に限定されていますが、緑にそのような境界はありません。白は集団としても個としても、緑ほど強くはないのです。

緑は博愛的です。緑は思う存分成長し、傷を癒やし、順当に生を終えることを求めます。不自然に長命な者や既に生を終えた者、生無きモノを在るべき場所へ還す能力において緑の右に出るものはいません。また、緑は大地の脈動を受け入れます。加えて、どこにでも生命を宿し繁栄させることで、緑は種として大局を支配し勝利します。

また、緑は個の変化を否定します。個が情報を得て、自己の在り方を変化させるのは不自然の極地だからです。しかし、緑はそのような相手に対しても生の在るべき姿を見せつけることしか出来ません。緑は物理的に蹂躙する以外に何かを否定する方法を知らないのです。

まとめると、緑は繁栄を第一とし、戦局の支配権を専有しようとします。よって、緑は繁栄以外の方法で支配権を奪取しようとする行動に対し、無力です。ゲームデザイン的に表現すれば、緑には自身の駒をどこにでも召喚できる効果やマップに干渉する効果が多く含まれています。

これは赤の刹那的な生き方とは決定的に異なります。個として見れば赤のほうが正しい場合でも、緑は徹底して種を優先します。緑は赤に比べて大局観に優れますが、逆に赤に比べて自己に無頓着とも言えるでしょう。